スライム類 - ファイナルファンタジー1 ゲーム内用語の小ネタ
関連画像
◎グリーンスライム ファイナルファニタジー1に登場するスライム系のモンスター |
◎グレイウーズ ファイナルファニタジー1に登場するスライム系のモンスター |
◎オーカーゼリー ファイナルファニタジー1に登場するスライム系のモンスター |
作中での位置付け
不定形生物、またはその総称として扱われる。実在する生物としては、アメーバや粘菌類がイメージとして近い。しかしながら、ファンタジーに登場するこの手の生物は、知能的に実在の生物よりも高度であり、また、サイズとしてみれば非常に大きく、体重にして大型のものは数トンの塊になるものもいる。
攻撃方法は、不意打ちから獲物の全身を包み込む拘束か、サイズによっては頭部を覆うことによる窒息によるものが多い。場合によっては獲物の口から体内に入り込む事もある。さらに、個体によっては、体内に毒素を精製したり、スライムそのものが強い酸の性質を持っていたりすることもある。
スライムが不意打ちを好むのは、そもそも動きが鈍重なためで、正面から獲物に襲いかかれば即座に回避されてしまう事が多いからである。そのため、スライムが生息するのは森林や洞窟、沼地などが普通で、高い木の枝や洞窟の天井、沼地などで獲物が来るのを待ち、獲物が攻撃範囲に入った所で上から、あるいは沼地の水面に同化し気付かれないように近づいて攻撃を仕掛けることが多い。不定形でどこにでも張り付き、音を立てずに行動できるスライムにとっては最も有効な攻撃方法であり、襲われる方としても脅威である。
不意をつかれ、顔を覆われてしまった場合は、手練れの冒険者でも逃れるのは困難であり、また物理的な攻撃も効きにくいことから非常に危険なモンスターである。
ドラゴンクエストシリーズでその名を知らしめ、一般的には冒険の序盤に相手をする弱い生物として定着しているが、本来はレベルの低い冒険者は、逃げてしかるべき凶悪な存在である。
スライムの脅威は、音なく忍び寄ることはもちろん、体が不定形なため、行動が予測しづらく、切っても叩いても即座に元に戻ってしまう物理的攻撃への耐性も挙げられる。硬いスチール製の防具を身につけていても、その隙間から容易に侵入し、毒や酸で攻撃する意識を持った液体を想像すれば、その恐怖は計り知れないだろう。
しかしながら、前述した通りスライムは不意打ちしなければ攻撃が成功しないような、動きが遅い生物であり、平原などで見かけることがあっても逃げることは容易い。また、生息地に森林や洞窟、沼地を好むのは、狩りのため以上に自身が乾燥に弱いためであり、また、基本的に火に弱い傾向にある。洞窟内で襲われても、発見が早ければ松明などで(倒せはしないが)撃退できる場合が多い。なお、平原などで出会うことは滅多にない。
本作でスライム類と呼ばれる者では、グリーンスライムの他にグレイウーズ、オーカーゼリーなどが存在する(オーカーは黄土色の意味)。それぞれ生息する場所の違いの他、体の組織に違いがあり、耐性も異なる。
グリーンスライムは先に説明した標準的なスライムであるが、グレイウーズは泥を含んでいるせいか体が硬く脆いため、物理攻撃も通り易い。また、オーカーゼリーは洞窟深くに住んで地熱を利用して生きているため冷気に弱い(実は火にも弱い)。
ファイナルファンタジーシリーズで本作より後の作品では、スライム系は「プリン系」と呼ばれるようになり、耐性は主に体の色から判別されるようになっている。
作品を問わずスライム系で最も脅威とされる存在はシャンブリングマウンドと言われる種類で、数十トンにもなる巨大なスライムが土砂と樹木で骨格をつくり、巨人のように動き回る怪物である。人型をしているため動きも一般のスライムに比べれば早い。イメージはクレイゴーレムに違いが、元がスライムなので体を破壊しても直ぐに再生されてしまうため、強力な魔法攻撃などがなければまず勝ち目は無い。また稲妻などの電気刺激を与えると急激に活性化してさらに巨大になるという性質も持っている。
その他の関連画像
◎グリーンスライム ファイナルファニタジー2に登場するプリン系のモンスター |
◎レッドマシュマロ ファイナルファニタジー3に登場するプリン系のモンスター |
◎イエローゼリー ファイナルファニタジー4に登場するプリン系のモンスター |
◎ブラッドスライム ファイナルファニタジー5に登場するスライム系のモンスター |
由来になっている事柄
◎スライム(slime)
ファンタジー作品などにおける、主にゼリー状・粘液状の怪物のことである。単細胞生物なのか多細胞生物なのかすらも不明であるばかりか、液体金属や溶岩のように無機的な組成の体を持つものまである。
人類はこれまでに様々な架空の生物を創造してきたが、そのような怪物は、既知の生物の特徴を変形したり合成したりして生み出されたものがほとんどである。アメーバや変形菌が知られていなかった古代の神話・物語においては、スライムのような生き物は登場していない。
架空の生物としてのスライムが初めて出現したのはアメリカの作家ジョセフ・ペイン・ブレナンの「沼の怪」(1958年)においてのことである。また、現在のスライムに繋がる直接の祖先としては、1931年にH・P・ラヴクラフトにが発表した長編小説「狂気の山脈にて」に登場する黒い粘液状の生物ショゴスが挙げられる。
このゲームにおけるスライムは、単細胞ないし群体生物のため殺しにくく、触れるものを同化したり、酸性の体液で武器や防具を腐食させたり、巨大に成長して始末に困るなどの特徴を持つかなりやっかいな生物であった。殴っただけでは打撃を与えられないこともしばしばで、退治するには炎・冷気・電気などのエネルギー攻撃を用いないと難しかった。これらの性質は、それ以降に登場した数多くのテーブルトークRPGのスライムに継承された。
◎ショゴス または ショグゴス(Shoggoth)
クトゥルフ神話作品に登場する架空の生物。
太古の地球に飛来した宇宙生物「古のもの」達によって合成された漆黒の粘液状生物。非常に高い可塑性と延性を持ち、必要に応じて自在に形態を変化させ、さまざまな器官を発生させることができる。地下鉄の車両ほどに大きなタールでできたアメーバのようだと形容される。呪文やテレパシーで操ることが可能だが、比較的知性が高く従順でないため、危険な生物である。